2017年2月25日土曜日

★週俳の記事募集

週俳の記事募集


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2017年2月24日金曜日

●金曜日の川柳〔筒井祥文〕樋口由紀子



樋口由紀子






こんな手をしてると猫が見せに来る

筒井祥文 (つつい・しょうぶん) 1952~

猫がひょいと人の手に猫の手(正確には前足)をのせる動作をすることがある。猫好きにはたまらない仕草であるらしい。その所作を猫がこんな手をしているんですと見せに来ているという。いやいや、そうではない。もちろん作者だって見せに来ているのではないことはわかっている。が、人間側からの勝手な見方をおもしろく川柳に仕立てる。見つけの上手さがあり、あそびごころがある。

最近話題の『猫俳句パラダイス』(倉阪鬼一郎編 幻冬舎新書)にも取り上げられていて、帯にも載っている。「こういった奇想をさらりと表現できるのも現代川柳の持ち味です」と倉阪さんが書いている。『セレクション柳人 筒井祥文集』(2006年刊 邑書林)所収。

2017年2月22日水曜日

●水曜日の一句〔伊丹三樹彦〕関悦史


関悦史









机上春塵 稿債 積読(つんどく) 嵩成すまま  伊丹三樹彦


書き終わっていない原稿、読み終わっていない本が机に積み上がり、そこに塵までが積もる。

片付かないものばかりが山積みとなった鬱陶しい日常以外の何ものでもなく、特に詩趣も諧謔もない光景のはずなのだが、句を読み下してみると、どこかうきうきしているような気分も感じられる。

「稿債」は俳句でときどき見かけるが、辞書には収録されていない言葉らしい。こういう少々なじみのうすい単語が「机上春塵 稿債」と硬い語感の並びをかたちづくると漢詩か何かのような韻律を生み、情報量も圧縮されて増えるので、妙な張りが出てくるのである。そしてそれは作者当人の心の張りもうかがわせる。

果物などと違って静物画の画題にはなりそうにない、また描きようによってはいくらでも殺伐たるものになる素材だが、この机、未完成原稿、読みさしの本は全て、脳の活動を外在化させている物件といえ、自分の内と外の両側にまたがっている。どれも活動中の知能と関わりあいつつ、具体物として「嵩」を成しているのだ。いわゆるアニミズムとは別の経路かもしれないが、その意味でこれらは、作者と連続した生気を帯びていて何の不思議もない物件なのである。

しかし「春塵」はそれらをうっすらと覆い、その物件性を際立たせる。大げさにいえば自分の知的活動からの自己疎外である。時間は過ぎていく。春塵は積もる。古びつつ次第に縁遠くなり、忘れられてもゆくおのれの知的活動の痕跡たち。その静かな時間と物の暴流のなかで、それに反発しつつ、句をなす心は華やぐ。そして「春」の塵は、その片付かぬ途中性の一切をおだやかに肯定する。


句集『当為』(2016.4 沖積舎)所収。

2017年2月21日火曜日

〔ためしがき〕 亀の声、蛇の肺 福田若之

〔ためしがき〕
亀の声、蛇の肺

福田若之


亀には声帯がない。けれど、たとえば、ウェブマガジン「スピカ」に掲載された折勝家鴨「あから始まるあいうえお」の2016年12月27日分のショートエッセイにも記されているように、亀は鳴くことがあるそうだ。

声帯がないのに「鳴く」というのはおかしいという向きもあるかもしれない。しかし、それを言うなら、蟬や鈴虫だって声帯はないけど、日本語ではそれらが音を出すことを「鳴く」と表現してさしつかえない。そうした意味では、亀についても「鳴く」と言ってよいはずだ。

キューと亀鳴いたる事実誰に告げむ》という三橋敏雄の句は、したがって、たしかに「事実」を前にした戸惑いとして成立しうる。

ただし、藤原為家が《川越のをちの田中の夕闇に何ぞと聞けば亀のなくなる》と詠んでいるのはやはり虚飾があるのだろう(「亀鳴く」を春の季語とみなす場合、一般に、この歌がその典拠とされている)。亀はたしかに鳴くことがあるのだが、決まった鳴き声があるわけではないようなのだ。だから、この歌のように音を聞いただけで鳴いているのが亀かどうかを判断することは、まず不可能だと思われる。

だから、話は非常にややこしい。亀はたしかに鳴く。けれど、「亀鳴く」という言葉がもつ季語としての風情は、むしろ、亀が鳴いたわけではない音を亀が鳴いたのだと聞きならわすことにある。「亀鳴く」が春の季感を持ちうるのは、「亀鳴く」という言葉を春の季語として認識している人間が、なにか些細な物音について、春だからもしかすると亀が鳴いているのかもしれないなどと冗談半分に思いながら「亀鳴く」と書いてみる、そのこころによってであろう。

それにしても、亀の鳴き声について調べていたら、蛇の肺は左右非対称で右だけがすごく長い、ということまでついでに知ってしまった。誰に告げよう。


2017/1/26

2017年2月19日日曜日

◆『週刊俳句』10周年記念オフ会のお知らせ〔第1弾〕

『週刊俳句』10周年記念
オフ会のお知らせ〔第1弾〕

小誌『週刊俳句』はこの4月、10周年を迎えます。そこで、皆様とともに記念祝賀の集まりを楽しみたいと考えました。

日時:2017年416日(日) 12:30~20:30
※昼はイベント、夜は懇親会。詳細は追ってお知らせいたします。
まずは、この日、スケジュールをあけておいていただけますでしょうか。

場所:東京・小石川後楽園 涵徳亭
東京都文京区後楽1-6-6
〔アクセス〕都営地下鉄大江戸線「飯田橋」(E06)C3出口下車 徒歩3分
JR総武線「飯田橋」東口下車 徒歩8分
東京メトロ東西線・有楽町線・南北線「飯田橋」(T06・Y13・N10)A1出口下車 徒歩8分
東京メトロ丸の内線・南北線「後楽園」(M22・N11)中央口下車 徒歩8分