2009年3月5日木曜日

●さいばら天気 星野立子というキャラ

星野立子というキャラ

さいばら天気


星野立子句集『月を仰ぐ』(西村和子編・ふらんす堂1997)から。

  目の前に大きく降るよ春の雪   立子(以下同)

  鞦韆に腰かけて読む手紙かな

  鉛筆で髪かき上げぬ初桜

  いつの間にがらりと涼しチョコレート

  たはむれにハンカチ振つて別れけり

  香水の正札瓶を透きとほり

  桃食うて煙草を喫うて一人旅

  わが前に落ち来る如く星流れ

  楽屋口水の江滝子ジャケツ着て

  一月十二日とペンで卵にかく


こう並べると、作者が、少女漫画あるいは少女小説の主人公ように思えてくる。

星野立子(1903-84)は、俳句を始める前に結婚しているので、その俳句に「少女」を冠するのは無理がある。27歳で長女を産み、吾子俳句も多い。それでも、この10句からは少女漫画、少女小説の主人公のような「作者像」が立ち上がる。

もし挿画を付けるなら、高野文子がいいと思いますが、いかがでしょう?

こんな感じ。

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