2010年8月14日土曜日

【裏・真説温泉あんま芸者】音と意味

【裏・真説温泉あんま芸者】
音と意味

さいばら天気



この美しい句、

  物干しに美しき知事垂れてをり  摂津幸彦

すでにみな了解済みの話なのか、私が言っているだけなのか、わからないが、また、前にもどこかで書いたと思うが、

  物干しに美しき生地垂れてをり

という元も子もない「見たまんま」から、音の類似を経て、意味が飛躍したパターンだと信じている。

この手法、使えそうだと安易に考え、ちょっと試してみたが、なかなか難しい。まずもって、「物干しに美しき生地垂れてをり」などといった、例えば山口東人さんばりの、すっとそのままのフレーズがなかなか出てこない(これには吟行がよさそう)。さらには、何に置き換えればサマになるかもむずかしい。生地→知事は、つくづく素晴らしい転換だと思う。攝津幸彦はやっぱりエクセレント。

それでも、あれこれ物色していると、

   卵抱く渚、兄に職なし兄走る  坪内稔典

これも、もとは

  卵抱く渚、に職なし走る

だったにちがいないと確信している次第。

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