2018年1月25日木曜日

●木曜日の談林〔松尾芭蕉〕黒岩徳将



黒岩徳将







成にけりなりにけり迄年の暮 芭蕉

『六百番誹諧発句合』(内藤風虎編)によると、判者の北村季吟の奥書に「延宝五年𨳝十二月五日」と記すので、延宝四年歳末以前の作と考えられる。「重詞新しく珍重に候なり」と季吟は判ずる。

軽みの強い俳句である。「(年の暮)になった、なったと言っているあいだに年の暮になった」と、年末の空気感だけで一句に仕立て上げ、他にはなにもない。

比べる意味などないかもしれないが、この「迄」の使い方は現代の句会ではなかなかお目にかかれない。

西山宗因にも「年たけてなりにけりなりにけり春に又」がある。

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